最高の週末(2) | いまのしゅんかん

最高の週末(2)

2週間前と同じ山小屋滞在での山スキーだったが、今回は今回で色々と収穫があった。

 

<スキー>

ずっと気温が高めで下界では雨、山ではみぞれが降っていたせいか、2週間前は表面がカチカチのモナカ雪だったのが、今回はかなり重い雪が積もっていて、雪質が一変していたのだった。

おかげで抵抗があって登りやすく、その代わり滑り降りるのはトリッキーなコンディションだった。しかも相変わらず視界は悪かった。

そのため彼は今回は一度もシールを使わず、ウロコ板で森林限界のあたりまで登り、滑っては登り返しをした。私は、一度はシールで森林限界近くまで登ったが、いっそのことこういう雪質の時にシールなしでウロコ板で登り降りする練習をしようと、登り返しからは彼と別行動で、私は一人で下の方の斜面でループを繰り返した。

 

よかったのは、プチソロ山スキーができたことである。一応彼からは常に私の姿は見えているという安全状態で。

いつも彼のトレースをそのまま辿るだけだったので、どのように進むべきか全く考えずついていくだけだったが、今回は微妙な斜度の違いを見極めながら自分でどの方向で登るか、どのあたりでターンをするべきか考えながら登れたのと、ハイクモードからスキーモードの切り替えも彼に頼っていたけど、一人でスキーを外してビンディングのモードを変えて平らなところにスキー板を置き、ツボ足でスキー板をはめる練習を何度もできたのがよかった。

 

ただ、二日目に、スキーモードに変えていたらものすごく視界が悪くなり、このまま帰ろうと彼を大声で呼んだが、なかなか返答してくれず、彼のウェアは保護色で認識しづらいうえ上の方は真っ白だし、何か起きたのかと気が気ではなく、万が一の場合はどうするべきなのか、全くわからず立ち往生した。

実はその時に、彼のビンディングのネジが2本取れてなくなってしまっていたため、とてもグラついており、残りの2本でせめてもので対極線になるように付け直していたりして対応に忙しくしていたらしい。ビンディングが取れたらジ・エンドなので、彼は彼でものすごく焦ったと。

しばらくしたら声が聞こえてきてホッとしたが、後になって、何か起きた場合にはビーコンのシグナル送信モードから受け取りモードに変え、表示を頼りに探しに行くべきだろうね、とのこと。ビーコンを携帯しながら、実際にどのように使えばいいのかわかってなかったので、雪崩講習なりトラブル対処の講習は受けたいと思った。2週間前に遭遇したノルウェー人高校生のグループのように。あと、トランシーバーのようなものも欲しいと思った。

 

しかしまさにこういうこと、一人で対処する、という訓練が私にはまだまだ必要だと思った。

 

シールで登って、スキーモードに切り替えしている時。私はまだもたつく。

 

<料理>

今回は、家で試作したラザニアを作ろうと、材料を持参した。茄子はなかったのでズッキーニを、肉はないのでツナ入れるけど食感的にいいかなとキドニービーンズも追加。

 

まず薄く切ったズッキーニだけをアルミ容器に入れロースト。油をかけたかったけどなかったので、ツナ缶の油を振りかけてオーブンに。思ったよりも火力が強く、すぐに焦げ目がついたので引き上げたが、結果的には柔らかくなるほどではなかったのでもっと火にかけてもよかったかも。

 

ズッキーニの上に、トマト缶、豆、玉ねぎとニンニクの微塵切り、ブイヨンをまぜ、ラザニアを割り入れた。

 

20分ほどオーブンにかけた後、ツナとチーズをかけて10分。
ズッキーニがちょっと固めだったけど生煮えという感じでもなかったし美味しかった。フライパンを使わないのだったらナスよりもいいかもしれない。キドニービーンズも加えてよかった。肉がないと豆は入れたいという感じ。
美味しかったので、家で普通に作りたいかも。その場合はナスをあらかじめフライパンで素揚げしたいけど。
 
<山小屋>
 
しかし、オーブンがある山小屋は珍しいらしい。
このキッチンはかなり大きく、カトラリーや食器、キッチン道具などかなり充実している方だという。
うん、私もまさかこれだけのファシリティがあるとは思ってなかったので前回はお湯を注ぐだけのレトルトフードを持参したわけだが。でも、やっぱり調理して食べる方がいい。
合流されたノルウェー在住夫妻は、ひき肉とお湯だけで作れる料理の素を使ってタコスリゾットを作ってくれたが、それも美味しかった。ノルウェーのスーパーには、デンマークでは見かけないそういう料理の素がそれなりのバリエーションで売られている理由もやっと理解した。鍋だけで作れるものの需要があるのだろう。
 
  
3グループが料理してもこの片付け具合。水道インフラがないにもかかわらず。
セルフキャビンの割にやたら綺麗だなと思ったけど、こういうところに来るくらいだからきちんとしている人が多いのだろうなと思った。
特に冬は歩くのも無理、普通のスキー板でも来られないところだし、クロカンか山スキーで来るしかなく、本当に自然が好きな人しか来ない。
 
朝電気がつかなかったので、おおーついにバッテリーが切れたかと思ったら、主電源が切れていただけだった。
太陽光パネルと付属バッテリーがあるだけで、最近はずっと天気が悪かった割に照明だけだと意外に持つものなんだなと思った。
 
清掃してガスの元栓を閉め、鍵を施錠して出て行こうとしたら、キャビンを見に来る人が。チェックに来たという。
もしかすると日曜日の午後は誰かがチェックしに来るのかもしれない。
まぁセルフキャビンだし、そりゃそうか。。
 
ちなみに、予約せずに泊まることは結構普通らしい。そのノルウェー在住夫妻も予約しないで来てくれたのだった。