子供の言語教育 | いまのしゅんかん

子供の言語教育

よくお邪魔するブログで、言語教育に関するポストをされていて、努力するという姿勢が、外部からの強制によって養われるかは懐疑的と書かれていて、本当にその通りだと思ったのだが、奇しくもそれについて考えさせられることがあった。

 

デンマークにサバティカルに来たことのあるアカデミアの知人からメッセージがきて、この夏から一家4人でデンマークに一年間サバティカルに来られる人がいて、特に小学生のお子さんの教育に関して不安があるようなので、紹介してもいいだろうかとお願いされたのである。

その不安はよくわかるので了承したが、一年間の滞在で小学生を帯同させていた人をほとんど知らず、正直お手伝いできるのだろうかと思った。

 

一度、10年くらい前だったか、同じコムーネに住む日本人夫妻と知り合い、半年の滞在だけれど、小学一年生になったばかりの一番上の子がずっと家にいるのもかわいそうということで、就学の可能性を知るために一緒に市役所に付き添ったことがある。結局、ミーティングを経て、たまたま外国人クラスに空きがあるからということで、数か月間通えることになった。

デンマークは、デンマーク語を解さない子供の公立小学校への就学は難しく、かといって外国人クラスはすべての小学校にあるわけではなく、限られたキャパしかないので、運がよかったと言える。

 

ちなみに、うちの娘は、デンマークに移住したときに3歳だったけれど、半年間保育園でまったくコミュニケーションができず、いつも独りぼっちで心傷んだ。半年後にコムーネから外国人向けのクラスをアレンジしてもらい、週に二度、タクシーの送迎付きで外国人クラスに通い、少しずつボキャブラリーを増やしていき、移住一年後にやっとコミュニケーションができるようになった。

インテリジェンスは問題なかったが、まだ言語に障壁があるということで小学校の入学は一年待ち、さらに小学1年生のときには、言語アシスタントもつけてもらった。

 

3歳からデンマークで育った娘でさえ、それくらいクリティカルに対応されたので、デンマークの小学校はかなり難易度が高いと思っていたのである。

永住の可能性がある子供に関しては、たとえデンマークネイティブでなくとも公立小学校の普通学級に入れるし、実際そのケースも知っているけど、低学年でも相当苦労していたと聞いている。

 

なので、外国人の就学についてざっと調べ、すぐにコペンハーゲンコムーネのサイトをみつけ、さらにインターナショナルスクールのリストもあったので送ったら、どうもわたしが思っていたのとは異なり、やむをえず就学させるための可能性を探るのではなく、子供の英語教育と国際交流の経験のためにインターに入れたいが、インターといってもいろいろあってそれぞれの特徴を知りたく、内情を知っているひとがいたら紹介してほしいとのことだった。

あいにくわたしはインターに通わせている人をまったく知らないので、駐在の人に繋がってそうな友人や知人にあたり、紹介してもらうことにした。

 

しかし人に聞きながら知ったのは、デンマークのインターは、あまり空きがないこと、そしてインターであっても、英語の素地のない子供にとってはかなり過酷であろうとのこと、であった。

さらにフェイスブックのエキスパットグループにいる夫いわく、インターは学費も滅茶苦茶高いから、大概会社もちで自腹を切るひとはあまりいないだろうという。今はデンマークから出て行った夫の元上司も子供をコペンのインターに通わせていたが、その夫妻が英語ネイティブで、元上司がかなりの高給どりだった。

 

そして、さらに情報をいただいたのだが(ありがとうございます!!)、日本人駐在の方が子息を就学させる一般的なインターがあるという。大体空きがあり、英語力をそれほど問われず入りやすい学校だとか。おそらく英語力のフォローもあるかもと。ただ、学費が高額で、だからこそ敬遠されるのだろうと。

好奇心でざっと調べてみたら、年間137.000DKK、今円高だから特に高くて300万円、、、、これが本当だとしたら確かに高い。。。だけど、もし本当に英語の素地のない子供のフォローが万全だとしたら、その高額な学費も理解できる。

 

とはいえ、実は最初の夫も、1年間のサバティカルで家族皆でバイリンガルになれるという夢を持っていたし、ましてや子供だったら言語の習得は早いから簡単だろうと思ってたし、インターで英語教育させたいという気持ちはわからなくはない。

ただ、私もデンマークが長くなって、日本人の環境にお任せしがちな教育に対する考え方からは、私自身が変わってきたのかもしれない。

もちろん、親がきっかけを与えることはいいことだと思う。

だけど、「いい経験」というのは、必ずしも自動的に得られるものではなく、時には大きな困難と障壁がセットになることもあるし、だからこそ壁を乗り越えるからこそ大きな学びが得られるのだと思っている。