オフグリッド山小屋泊(2) | いまのしゅんかん

オフグリッド山小屋泊(2)

 

この山小屋に泊まる目的の一つは、新しく新調したウロコスキー板に慣れることでもあった。

多少の上り坂であればウロコ状の表面が抵抗になって登ることが可能、しかし下るときにはシールほどの摩擦は起きないからスムーズに滑ることができ、小さいアップダウンを移動するのに便利な板なのである。

なのでずっと欲しかったのだが、市場は小さくてオンラインでもなかなか出てこなく、年明けにやっと注文し、今月頭に届いたが、私の山スキーについているビンディングをスライドさせて使おうとしたらなかなか外れず、新しくビンディングを買ったのだった。

そのため先週は夜な夜な彼がビンディングをつける作業に励んでくれたという。。。感謝。。

 

しかし、駐車場からいきなり上り坂で早くも上れないという問題が。

てっきりシールと同じくらい抵抗になって上れるかと思いきや、全然そんなことはなく、後ろ向きにずりずりと滑り落ちてしまうという。。で、ますます上半身が前のめりになって余計に上れなくなるという。。

彼には、ウロコ板は滑るものだから、そういうものだと割り切って、せめて姿勢は垂直に保つようにしてと言われた。む、難しい。。。

また、足だけを出すのではなく、体全体で前に出るように滑るべきだと。あ、クロカンと同じか。。2週間前の週末旅行の後、家で動画を見て、足だけで滑るのでなく、体で推進力にすることを知り、全然できていなかったことを認識したところであった。

実はクロカンとかなり共通していて、やはりクロカンをやっておいて良かったと思った。踵が固定されてないまま滑り降りるのもクロカンのおかげで慣れたので。

 

しかし、山小屋に着き、荷物を置いて山に入ろうとしてからが大変だった。

シールをつけて出発したが、しばらくは登らないだろうとシールを剥がしたらルートが間違っていることが判明、引き返して、森の中に入り、すでに押し固められたトレイルを辿って進もうとしたら、ちょっとした上り坂でも上がることができず、ならばと細かいジグザグを切っていこうにも雪は固いしスペースはあまりないしで、私は早々にギブアップ、シールをつけることに。

彼はしばらくそのままで進もうとしたが、下りでスピードがつき、しかもトレイルは狭くてブレーキがききにくく、やはりシールをつけた。

そんなこんなで体力を消耗させ、本格的な登りに入ってしばらくしてから休憩。。

 

 
休む場所を作るため、彼はあらかじめ板だけでなくツボ足で踏み固めてくれた。
しかし、この写真を撮った後、もっと全体を撮るためにツボ足で二歩下がったら、木の近くだったため、思い切り足をハマらせてしまった。雪の深さが1mほどあっただろうか。股くらいまで埋まったので、彼がシャベルを出して掘り起こそうとしてくれたが、幸い自力で這い上がれた。
そしてスキー板の上に座って、コーヒーとクッキーを食べしばらく休む。。。
しかしまた滑り始める前にトイレに行こうとツボ足で歩こうとしたらまたハマりまくり。。しかも、用を足すのが非常に難しかった。くそーーーこういう時は女であることを恨む。。あらかじめシャベルでトイレを作るべきであることを学んだ。
 
そして登りを再開させたが、登り方がわかってきて楽しかった。
姿勢を正して重心を垂直にかけながら登るというコツが、クロカンのおかげでわかり出したのである。
しかし、時間も押し気味な上、視界がイマイチだったので、雪原が広がっている上のところで引き返すことにした。
案の定、新しいビンディングにトランジションももたつく。。。
やっとやり方がわかってハイクモードからスキーモードに変え、いざ滑ろうとしたら、、、、
 
5秒で転倒。
雪が表面が固いモナカ雪だったため、ちょびっと片側の足に重心がかかっただけで板が雪に取られてしまい、転んでしまったのである。しかも体が逆さまな状態で。
まずバックパックを外し、片足だけついているスキー板を外そうとするがなかなか外れず。。。
外して起きあがろうとするが起き上がれず。。。
体が変な風に雪に固定されてしまっているので、なかなか立ち上がれないのである。
ポールを手の踏み台にしてなんとか立ち上がり、スキー板を平らに置き、ツボ足からだとはめられないので、両足を板に乗ってはめる。。
長く感じたが、彼からすると早いリカバリーだったらしい。
 
そこからは、直下高で滑り下りたらすんなり下までいけた。
彼曰く、非圧雪は基本的にターンをしようとせず雪に乗るような感覚で滑るのだけど、モナカ雪の場合はよほどスピードに乗らないとすぐに雪に取られるので、重心を少しでも傾けたらダメとのこと。
最後だけ気持ちよかったので、また登り返したかったけど時間切れ。山小屋に戻ることに。
しかしすぐにハイクモードに変えたら、また転んでしまい、結局シールをつけて帰ることにした。
ふートリッキーすぎる。。やはりこういうトレイルは山スキー用のクロカン板の方がずっと楽なのだろうか。
 
 
大した距離でも獲得標高でもないのに疲労が。。。
だけど、ウロコ板でのハイク、新しいビンディングでの扱い、転んだ時の対処、モナカ雪での滑り方、などなど学ぶことは多かった。
それに、やっぱり雪景色の中でのハイクは楽しかった。