オフグリッド山小屋泊(1) | いまのしゅんかん

オフグリッド山小屋泊(1)

 

日曜日に、テレマーク地方でオフグリッドの山小屋で一泊してきた。

本当は4週間前に泊まる予定だったところだが、予想外のバッテリートラブルで行けなくなってしまったので、リベンジすることに。土曜日に泊まりたかったのが、相部屋しかなかったので、月曜日に有給をとり、一人しか予約がなかった日曜日に泊まることにしたのである。

スタッフのいない、完全自己責任タイプの山小屋泊は初めてで、4週間前だったら知人夫妻と一緒でもっと心強かったかもしれないが、この一か月の間に荷物を運ぶためのソリとわたしの新しいウロコスキー板が用意できたので、結果的にはこのタイミングでよかった。

 

わたしたちが泊まったのはこの宿で、駐車場から2km近く離れた山小屋だった。

 

インフラは電気の照明があるほか基本的になく、ベッドと寝具はあるがリネンは持参。食料も自分たちで用意しなければならない。

なので、ふたつのバッグパックだと厳しく、4週間前だったら知人のソリに少しだけ荷物を積ませてもらうつもりだったけれど多少のアップダウンがある移動があるのでそれも心苦しく。

なのでソリを入手できてよかったが、それも初めてなので荷物は最小限、食事も調理の必要ないドライフードを持参した。またシーツと布団カバーは意外に重いしかさばるので、彼はシルクの敷物にシュラフ、わたしは掛布団を使いたかったのでシュラフカバーをシーツ替わりにもっていくことにした。それが実は大誤算だったのだが。。。わたしのシュラフも持参していたので結果的には助かったが。

 

電気は照明だけなので、パワーバンクも二つ持参した。しかし、電波が入らないので、スマホはカメラにしか使わず、それほどバッテリーを使うことにはならなかったが。

そして水もなし。氷を溶かして水を作ると聞いていたので化繊のバケツを持参。しかし、冬季は使えないはずの井戸水が使えたので、小屋の外にある井戸のポンプに水を汲みにいくだけですみ意外とラクだった。

トイレは、別小屋にあり、もちろん水洗ではない。用を足したらウッドチップをふりかける。トイレットペーパーが大量にあり、意外ときれいだったので、わりと快適に使えた。手洗いは、小屋の目の前に積もっていた新雪ですませた。ただ照明がないのでヘッドランプが必要。こういうところだと、かえって野外ですませたいけど、人が集まる小屋の周辺にするわけにもいかず。でも夏だったら、やっぱり離れたところにいっても外で、かな。。。

 

驚いたのは、キッチンの充実ぶり。

ガスがあるからコンロは普通に使え、オーブンもある。食器もたくさんある。

水道インフラがないのに、ほとんどのひとがきちんと自炊していてびっくりした。

しかし、鍋もフライパンもひとつずつしかなく、複数のグループが一緒に調理することはできない。

そして、冬はシンクからの排水はできないので、桶に水をためて洗い、その水は窓から捨てるという。。

ついつい、洗い物が少なく、フライパンを使わない料理について考えまくった。やっぱり他の人がうらやましくなって自炊したくなったので。

 

それに新しい建物のせいか断熱はしっかりしてて、薪ストーブだけで十分な暖かさだった。 

 

スターターと薪を入れて火をつけるだけで簡単につく。もちろん夜は誰も薪をくべたりしないので消えるけど、意外と寒くならない。薪は、トイレの建物にふんだんにあった。

 

ただ、スタッフがいなく、電波が届かないので、予約なしで泊まる時にトラブルの可能性がある。

実は予約していた部屋が荷物で占拠されていて、結局別の空いてるであろう部屋を使うことに。

荷物の主が小屋に戻ったのは20時よりも遅く、他に空いてる部屋はたくさんあったので、クレームを言わなかった。

会員であれば鍵でいくらでも小屋を開けることができ、タダで泊まってもバレないし、というか、電波がなくて当日決済はできないので、後日自主的にオンライン決済するしかなく、ノルウェー人の正直さに頼ってるシステムだなとつくづく思った。

だけど、そのわりにきれいで、物品は充実して誰かの厚意で常に補充されているようで、セルフでありながらうまく走っているのが逆にノルウェーらしいな、とも思った。